【あの事件は今!Vol.6】
2015年8月13日 寝屋川市に住む2人の少年少女は突如として行方不明となった。
2人は一人の男によって誘拐され、捜索もむなしく死後数日後に最後の一人が発見されてしまう。両被害者の保護者は顔にテープを何重にも巻かれた娘と白骨化してしまった息子を見ることになってしまうという凄惨な結果を迎えてしまった。
殺人・死体遺棄で逮捕されたのは山田浩二被告(48)である。被告はこの事件以外にも未成年の誘拐などで前科8犯であり、殺害。死体遺棄以外は今事件と酷似している事件ばかりであり、さらには2014年10月に出所したばかりであった。
行方不明現場付近の住民は
「私も当時お花を添えに行ったんです。
その時丁度被害者の子と同い年くらいの子たちが来ていて、いたたまれない気持ちになったのを鮮明に覚えています。」と話した。
失踪現場付近の住民
逮捕後も被告が黙秘を続けたことにより凶器や被害者の所有物など物的証拠が発見されなかった上に殺害場所・殺害方法などが明らかにならず事件の全貌特定が困難を極めたため、2018年11月1日の初公判まで二年の月日が経ってしまった。
大阪地検は防犯カメラの映像を中心とした間接的な状況証拠のみで被告を起訴した。それに対し大阪地裁は被告人Yは被害者2人を殺意を有した上で殺害しており完全責任能力を有していた」と殺意を認定。また、Yの供述を「信用できないというにとどまらず、虚偽だと言わざるを得ない」「成り立ちようがなく、作り話だ」と指摘し、被告に対して死刑判決を言い渡した。
裁判後、弁護人は判決を不服として即日控訴したが、2019年5月18日に大阪留置所内で刑務官とトラブルになり自暴自棄の上控訴取り下げを提出し、令和初の死刑確定となった。弁護人は死刑囚本人による控訴取り下げは無効であるとし、控訴審を再開すべきであると申し入れを行い、大阪高裁はそれを受諾。検察側の特別抗告は棄却としたため、控訴取り下げの有効性については大阪高裁で再び審理し直されることとなった。
一方、山田浩二死刑囚は2020年3月24日に再び控訴取り下げを求める書面を提出したが2回目の控訴取下書は提出から2か月近くが経過した2020年5月19日時点でも新型コロナウイルスの影響から保留されたまま受理されておらず、弁護人は2020年5月14日付でその取下書についても無効とするよう大阪高裁に申し入れた。
この凄惨な事件とあてどない判決までの道のりに被害者並びに被害者遺族の心中は計り知れない。ただ私たちがこれから出来るのは子供達から目を離すことなく町全体で見守っていくことだろうと熟考してやまない。
遺棄現場にて献花に訪れている様子