駆け出し探偵記1

そろそろ30歳。 工事現場の仕事も楽しかったが、 豊かな人生を長い目で見てみると、 もっともっと、 世の中の色んなことを 知りたくなるものだ。 体力があるうちに、 もうひとつ。 これまでとは 一味も ふた味も違う ディープな世界を 見てみよう。 いざ、異業種転職っ!
まさか、存在するとは 夢にも思っていなかった。
――― 探偵。
なんだろうか。 この、 『殺し屋』 ばりの インパクトは…。
何故、この職業が 気になってしまったのかを 確かめるべく、 大幅に時空を遡って 自分の記憶をたどってみる。

観察は諸行。変態の所業?

物心がついた頃には、 図鑑を読み漁っていた。 恐竜がもう、 この世に存在しないと知って 子どもながらに やるせなさを感じていた。 親父が おにぎり型の装置 (当時のMacコンピュータ) から刷り出して、 生暖かいインクになって 出てきたディノニクスは、 こちらを睨んで 止まったまま。 喋りかけてはくれないのだ。

“周りのものを全て、覚えるつもりで観察しなさい“

祖母の言葉が、 印象的だった。 もともと 落ち着きのない 多動症の子供が、 余計に挙動不審に 育ってしまったのも仕方がない。 なぜ、観なければならないのかを たずねると、 「大事な情報が 勝手に入ってくるから」 と 祖母は答える。 なんだかは分からないが、 情報というものは、 とても大事なものなのだろうと 悟った。
何十年と生きた 祖母が念を押すように 言うことなのだから。

そうやって隠すのか…!

小学生の頃、 道端で知らない親子が 窃盗直後に走って逃げるのを 目撃したことがある。 父親と、 低学年ぐらいの娘が手を繋いで、 書店から出てきて、 不自然に笑いあって、 なんだかとっても 悪いことをしたみたいに。  “違和感” を感知した私は、 他に変な部分が無いか よく観察した。 反対車線の 歩道から、 肉眼のピントを合わせて、 ズーム。 …娘が、お腹をおさえている。 薄いピンク色の ワンピースが、 四角く出っ張っているのを、 もう片方の手で 抱えていたのだ。
あれは、本だ。 盗んだ本を、 服の中に隠している。
ケーサツに言うべきだと思い すぐ隣で歩く 母親に告げたが、 返事はこれだけ。
『よく気付いたね。  …ああいうのは、 親が子供に教えて、やってんだよ』

“あんた、警察に向いてるかもね“

空手黒帯なのに その親子をやっつけに行かない 母親をみて、 うーんと 思いながら 正義感を押し殺した当時。  大人になった今は、自分にできることは 限られていると思うし、 窃盗親子にも 事情があってのことなのだろうとも 考える。  仕方がないと言えば それまでだが、 仮にその本が書店に返されたとて、 また別の店が 狙われるようになるのみだ。
ずっと見ていたら 何かが分かる。 そう確信した きっかけの出来事だった。

他人の事情に首を突っ込むな!

中学生の頃、 クラスメートの友人:Rのもとに 謎の暗号文が届いた。 差出人不明。 手書きで、 ひらがなと数字が 交互に 並べられている。 (五十音の行を示す ひらがなと、 n番目の値を示す数字。)  寄ってたかって、 頭をかかえるRと 取り巻きたち。  事件のにおいがしたので、 私は居ても立っても居られなくなり、 覗き込んで代わりに解読。 差出人も特定した。
内容が痴情のもつれ とやらだったので、 私が代理で 友人からの返事を 預かって手渡すことになった。 差出人と私は 面識がなかったので、 友人からの情報 ( 身体的特徴。 『刈り上げおかっぱ』 と 『眼鏡』 )をもとに探し当て、 話しかける。
「あの。 T君だよね? Rさんへの、 暗号文の件で…」

“そうだけど。書いたよ。だから、何?“

差出人は、 ピリピリと ご機嫌が斜めのようで、 ぷいと踵を返して 行ってしまった。

私は、学んだ。 まずは自分から名乗って、 相手の警戒心を解くこと。 そして、相手が行ったこと(暗号文を寄越すという 変わった行為) には触れずに、 用件のみ(Rから 手紙を預かっていること)を 伝えるべきだったと。

預かった手紙は、 Rに返し やはり自分で渡すべきだと 言った。
T氏は、その手でこっそり Rの机に 暗号文を入れたのだ。

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