日本国内の民法において、夫婦間の関係や離婚に関する規定は重要な規定です。その中でも、民法709条と民法710条は、夫婦の関係や離婚手続きにおける異なる側面を規定しています。
まず、民法709条は「不貞行為」に関する規定です。この条文では、配偶者が重大な不貞行為を行った場合、その配偶者に対して離婚を請求することができると定められています。不貞行為とは、配偶者が他の者と性的な関係を持つことを指し、夫婦の信頼関係を損なう行為です。不貞行為を理由に離婚を請求する場合、その不貞行為が重大であることが必要です。
一方、民法710条は離婚の原因について規定しています。この条文では、夫婦間の結婚関係が破綻し、夫婦が別居状態にある場合、配偶者の一方が離婚を請求することができるとされています。ただし、夫婦の間に特別の事情がある場合や、離婚の理由が重大であることが要求されます。離婚の原因は不貞行為以外にもさまざまな要因が考えられますが、別居状態や夫婦関係の破綻がその主な要因となります。
民法709条と民法710条の主な違いは、離婚の原因にあります。709条では不貞行為が離婚の原因として規定されていますが、710条では夫婦関係の破綻が離婚の原因とされています。つまり、709条は特定の行為に基づく不貞行為を離婚の原因としているのに対し、710条は夫婦の関係そのものが破綻した場合に離婚を認めています。
また、709条の不貞行為による離婚請求は、特定の行為が必要ですが、710条の離婚は夫婦の別居状態や夫婦関係の破綻が主な要因であり、特定の行為が必要ありません。つまり、710条では不貞行為以外の理由でも離婚が認められる可能性があります。
以上のように、民法709条と民法710条は、夫婦の関係や離婚の原因に関する異なる規定を含んでいます。不貞行為が離婚の原因となるか、それとも夫婦関係の破綻が離婚の原因となるかは、具体的な事情や証拠に基づいて判断されます。